「つくって、壊して、直して学ぶKubernetes入門」を読んで:初心者が踏み出す第一歩

以前、Kubernetesの学習書として「Docker/Kubernetes実践コンテナ開発入門」を読みました。

「Docker/Kubernetes実践コンテナ開発入門」を読んで 「Docker/Kubernetes実践コンテナ開発入門」を読んで

さらに理解を深めるために手に取ったのが「つくって、壊して、直して学ぶKubernetes入門」です。
本書は、そのタイトル通り、Kubernetesの基礎的な構成要素を作成し、あえて壊し、そして修復することで学習を進めていくというユニークなスタイルが特徴です。

この記事では、「つくって、壊して、直して学ぶKubernetes入門」を読んだ目的、学んだこと、感じたこと、そして他の技術書との比較を通じて、初心者がKubernetesの世界に踏み出す際に役立つポイントを紹介します。

「つくって、壊して、直して学ぶKubernetes入門」を読んだ目的

自分がこの書籍を手に取った理由は、「Docker/Kubernetes実践コンテナ開発入門」で学んだ内容を復習しつつ、さらにKubernetesの構造を深く理解したいと考えたからです。

特に、リソース間の関係性の理解を深めることや、開発環境でトラブルが発生した際に、自分で初期調査ができるスキルを身につけたいという目的がありました。

期待していたことと得られたこと

読了後の感想としては、期待していた内容を大まかに復習できたものの、Kubernetesの全体構造を理解しきれたとは言い難い部分もありました。
具体的には、各リソースの役割は把握できたものの、それらがどのように連携して動作しているのか、その関係性を完全に理解するには至っていないと感じました。

一方で、予想外に得られたこととして、Kubernetesそのものの説明だけでなく、周辺ツールの紹介が多かった点が挙げられます。
個人開発にも興味がある自分にとって、これらのツールの存在を知ることができたのは嬉しい誤算でした。

構成と進行の工夫

つくって、壊して、直して学ぶKubernetes入門」の構成は非常に読みやすく、各Chapterの冒頭で漫画を用いた導入があることで、その章で何が語られるのかが掴みやすくなっていました。

Chapter 7の「安全なステートレス・アプリケーションをつくるには」が特に印象に残っている部分で、以前の学習で理解が曖昧だった部分がわかりやすく補完されており、非常に効果的でした。
Probeに複数種類があり、どれがどう違って何を使うべきなのか、という点が不明点だったのですが、わかりやすく解説されていてありがたかったです。

「つくって、壊して、直して」の学習スタイル

「つくって、壊して、直して」という学習スタイルについては、その効果に疑問が残る部分もありましたが、トラブル発生時の調査手順が具体的に解説されていた点は実務にも役立ちそうだと感じました。
特に、Podから順にさかのぼって調査するという流れは、Kubernetesの構成を理解する上で重要なポイントでしたし、自分が実際にトラブルに直面したときには、その流れで調査してみたいと思いました。

初心者向けの内容と難易度

Kubernetes初心者向けの書籍として、「つくって、壊して、直して学ぶKubernetes入門」の難易度は非常に適切だと感じました。
はじめてKubernetesに触れる人ももちろんですが、1冊程度Kubernetes関連の書籍を読んだことがある人でも、広く浅く概要を掴むのにちょうど良い難易度設定です。

実務での応用やトラブルシューティングを深掘りしたい場合は、本書だけでは物足りない部分もあるかもしれません。
特に、各リソース間の関連性を深く理解したい場合は、より専門的な書籍の参照が必要になりそうです。

特に役立ったポイント

つくって、壊して、直して学ぶKubernetes入門」で特に役立つと感じたのは、壊して学ぶというスタイルで得られる「調査手順の具体例」でした。具体的には、

  • トラブル発生時の調査フローの解説
  • 調査に使用するコマンドの紹介
  • コマンドの出力結果で注目すべきポイントの説明

これらが具体的に書かれていたことで、Kubernetes環境でのトラブル対応に役立ちそうだと感じました。

改善してほしい点

全般的にわかりやすく、非常におすすめできる書籍なのですが、あえて改善点を挙げるとすると、図解の少なさです。
Kubernetesの説明パートには多くの図が使用されていたものの、「つくって、壊して、直す」パートでは図解が少なく、現状がどのような状態で、どこが調査済みで、どこの調査が必要なのかがイメージしにくかったです。

例えば、「想定している構成」や「調査した結果、問題ないとわかったリソース」などを図解で示してくれると、より視覚的に理解しやすくなると感じました。

読者ターゲットと一言で表現すると

つくって、壊して、直して学ぶKubernetes入門」のターゲットは、Kubernetes初心者の中でも、インフラ未経験のアプリケーションエンジニアや、Kubernetes環境で開発・運用している人たちだと感じました。
また、これからインフラエンジニアとしてKubernetesを触ることになった人にも適しています。

一言で表現すると、「インフラ未経験アプリケーションエンジニアのためのKubernetes開発環境トラブル調査はじめの一歩」です!

他の技術書との比較

他の技術書と比較して、本書の際立った点は以下の2つです:

  • 漫画によるキャッチーな導入で、難しい技術要素へのハードルを下げている
  • トラブル調査の手順を具体的に解説している点が、他の初心者向け書籍にはない特徴

Kubernetesの基礎を広く浅く学びたい人、またはトラブル発生時に調査手順を学びたい人には強く推奨できる一冊だと感じました。

まとめ

この記事では、「つくって、壊して、直して学ぶKubernetes入門」を読んだ目的、学んだこと、感じたこと、そして他の技術書との比較を通じて、初心者がKubernetesの世界に踏み出す際に役立つポイントを紹介しました。

「つくって、壊して、直して学ぶKubernetes入門」は、Kubernetesの基礎を学びつつ、壊れた状態の調査手順を知ることができる初心者向けの入門書です。
インフラ未経験のアプリケーションエンジニアが、Kubernetes環境でのトラブル対応を学ぶ第一歩として、有用な一冊だと感じました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です